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「生活」を創る主体者として

ハンモックで遊��ぶ子どもたち

対話的保育の実践

―「どうしよう?」の答えは、自分たちで考えて

 

谷戸幼稚園は自由保育ですか?一斉保育ですか?と聞かれることが時々あります。子どもの自由な遊び時間を主とする保育か、決まったカリキュラム沿ってみんなで活動する保育かという質問なのですが、そんな時はいつも「対話的保育」とお答えしています。

 

対話を用いて生活を進めていく中で子どもたちの自由な姿を、クラスや学年の活動につなげていく、そして、みんなで話し合ったり活動したことからひとり一人の経験の幅が広がり、自分たちの遊びに反映され更に充実していく。そんな保育を「対話的保育」と呼んでいます。

子どもから子どもへ引き継がれる、園生活のお仕事

 

落ち葉の季節のある日のこと。

朝の遊びが一区切りつくと、年長さん達が園庭の掃き掃除を始めました。そこへやって来た、ひよこぐみのTくんとYくん。掃除する年長さんの間をすり抜けて、掃き溜めた小さな山を崩して遊び出しました。

すると、それを目撃した年長の女の子三人組が「ダメでしょ」とお説教。「わたしたちはね、おしごとなの!」と言ったのです。掃き掃除は、年長さんがやらなければ幼稚園のみんなが困る大切なお仕事。それを自負して語る姿は、何ともりりしく感じられました。

 

3歳、4歳の時期に十分に遊びこみ、自己選択や自己判断、自己主張の経験を重ねると、年中の終わり頃から遊びと作業の違いを理解するようになります。そして、5歳児になると主体者意識が伸びる時期を迎えるのです。

このように、年長の一年間は自治を活発にするような生活を試みることを大切にしたいと考えています。

寄稿コラム/
お茶の水女子大教授の宮里暁美先生のお言葉

「谷戸幼稚園に遊びに行ったら、子どもたちと過ごしている暮らしの中に自然にアートがあって、先生たちの佇まいにも「自由に感じる」の香りがして、いいなあと思いました。
 5歳のクラスに行くと、ちょうど遠足の相談をしているところでした。目的地までどうやって行くかということについての話し合いで、どこで乗り換えるのかということについて経験を出して真剣に語り合っています。自分の経験に基づいたそれぞれのプランには説得力があって、感心しました。そこでも、その場を支えている先生たちの佇まいに「生活に根付いた余裕」のようなものが感じて、いいなあと思いました。
 子どもは「自ら育つ存在」です。人間はみんなそうです。私たちはみんな、自ら育ち、今に至っています。」

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